大統領演説と日本の対応

 

ウクライナ大統領の演説は他国と異なりの日本の非難は無く国民の心情に訴えるものでした。 先ずは隣の隣の隣人で8000Kmの距離も互いに思気持ちに距離は無いと親近感をつくり、 アジアで最初の支援国と更に持ち上げ、原発の事故に遭った日本人に原爆や化学兵器による 被害の悲惨さを想像させる等、日本人の国民性のに訴える巧みな内容と構成でした。 何か弁解しなければならない批判が有るとの予想に反して、国会は総員のスタンディング オベーションでした。 岸田首相はじめ議員達の反応は、追加支援等の迅速な実施、ロシアへの制裁の強化等でした。 本日、会見で開催されるG7に出席する(演説で興奮気味?)首相の発言が気がかりです。 昨夜のプライムニュースで、自民党の新藤氏の発言は「情けは人の為ならず」を前面にした ウクライナ支援で、国の損益を考えず徹底してロシアに制裁を加えなければならないとの事。 私見ですが、ウクライナ紛争を国民の被害等に目を奪われ感情的にならず、冷静に見た場合、 プーチン氏はNATOが約束にも関わらず、なし崩しに勢力範囲を東に拡大しロシアと直接対峙 するまでになることによる「安全保障上の不安・恐怖感のを払拭するための対応と発言して います。 原因は冷戦時代の欧米(NATO)と東欧(ワルシャワ条約機構)の軍事的対峙に発する もので、ソ連邦が解体した後はNATO vsロシアの対峙となりました。 欧米は反体制のロシアを封じこめるためNATOの勢力範囲を拡大を図りロシアの孤立化する 戦略と考えられます。其の結果発生したウクライナ紛争はNATO代理のウクライナとロシアの 争いと考えられます。 NATOにとりウクライナがロシアに占領され傀儡政権ができる事態は受け入れられないでしょう。 一方「力による現状変更のための武力侵略」行為は国際法や人道的に許容されないものです。 背景まで考えると日本はウクライナに対し欧米と全く同じ行動や対応をしなければならないか? 今の政府は国際法・人道的・力による現状変更等に対する「正義感」と反体制国に囲まれた 日本の将来の非常事態を考え「情けは人の為ならず」も考えた支援と思いますが、欧米の追従 だけでなく欧米に出来ない停戦・講和の仲介などは国益にも通じるですが、考えられないので しょうか? 窮鼠猫を噛む、ロシアが国際法に違反して徹底的攻撃に走らせ、甚大な人的物的損害を出す前に 停戦・講和するためには、プーチンが受け入れられる条件提示が必要と思います。 これは国際法違反・非人道的な行為を是認するものでは有りません。 過って日本が開戦に踏み切った状況を振り返ってみました。   3.24 閑独居老人の独言 少しは正気が残っていた(閑独居老人の独言) ウクライナ紛争で、G7はロシアへの経済制裁とウクライナへの支援を表明し、アメリカの意向 とウクライナの要請に沿った支援と制裁を実施しています。 先日、ウクライナ大統領の演説を視聴した後のプライムニュースで自民党新藤議員が日本の 安全保障環境を考え「情けは人の為ならず」で、国益に拘らない厳しい制裁をすると発言して いた。この中にロシアに戦費を稼がせない(ゼレンスキー氏の要請)要請に応じ、ロシア極東 サハリンの資源開発を巡り、日本政府は権益を放棄する気配でした。制裁とは制裁を行う側が 制裁を受ける側よりダメージが小さいことが有効性の条件で有る。エネルギー資源のない我が 国が、エネルギー・資源に関わる制裁が妥当か(逆制裁にならないか)危惧していました。 本日のWEBニュースを見て政府に少しは国益を考える正気が残っていたことに安堵しました。 我が国は極東に孤立し資源・エネルギー・食料は輸入無くして維持できない国です。 他のG7諸国は自立できるアメリカと陸続きのEU経済圏で相互に融通し合える国(ドイツは 天然ガスは輸入依存)である。国の置かれた環境が異なるにも関わらず欧米と同じ事をしよう としている我が国の姿勢に危惧を感じていました。もし同じ事を連携して実施しなければなら ないのであれば、日本が割を食うことに対する他国の補填や支援の確約が有ることが条件です。 日本は正義感だけで後先考えずに支援・制裁に参加し、過去、結果が評価されなかったり、 後遺症に苦しんだりしています。因みに、アメリカは本経済制裁により大きな国益を得てい ます。閉鎖に追い込まれていたシェールガスやオイルや小麦の価格高騰と兵器支援による 兵器産業の活性化や兵器更新の促進等です。日本がロシアを制裁するなら、日本に打撃が 少なくロシアの打撃が大きいものです。例えば電子部品や器械部品などそのものの価格は 小さいが、其れが無くては完成品ができなくなり、生産工場全体が止まるので最終的な影響 は甚大になります。また輸出品であればロシアの財源収入に与える影響は甚大です。 このことはコロナのパンデミック時に我が国は十二分に経験したことです。ウクライナ紛争で 日本の国情・位置・国民性に合った貢献は何か? エネルギー資源国のマネをして自らが溺れるような、後悔の無いようにしてもらいたい ものです。                             3.27 閑独居老人の独言 サハリン権益、日本は当面維持へ…「のどから手が出るほどほしい」中国の奪取防ぐ(読売on-line)

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