「閑独居老人の独言(正月の夢)」

 

 


コロナ騒ぎのニュースを見ている間に1月も中日、過ぎ去っていく時間の早さを感じますが、新年明けてからの各位は
如何お過ごしですか??
寒中というものの昨日の関東地方は、初春を思わせる暖かい天気で、久しぶりにテニスで汗をかき、結果美味しい
ビールを飲むことが出来ました。
さて、NHKのニュースで「老化細胞」を排除すると老化に伴う体の機能が改善すると報道してましたので、我々の特に
関心があることとして関連情報をWEB検索してみました。参考になればとと添付します。他にも関連資料は多くあると
思いますので、有用なものが見つかれば交換しては如何でしょう。(まがい物にも注意しましょう)
今日は再び寒の寒さに戻っていますが、予報では寒暖が波状にくるようですので、体調を整えコロナに負けないよう
元気に過ごしましょう。
                                     1.16 閑独居老人の独言

参考
「老化細胞」死滅させ体の機能改善へ 東大などのグループ
2021年1月15日 5時09分「NHK」
加齢に伴う体の衰えや病気などの原因の1つとされる「老化細胞」を死滅させることで、体の機能を改善させることに
東京大学などのグループがマウスを使った実験で成功したと発表しました。
この研究は東京大学医科学研究所の中西真教授らのグループが、アメリカの科学雑誌「サイエンス」で発表しました。
加齢などにより分裂が止まった細胞は正常に働かなくなって、体の機能の低下や病気を引き起こすとされ「老化細胞」
とも呼ばれています。
グループは、この「老化細胞」は「GLS1」というたんぱく質が働かなくなると死滅することを突き止め、年を取った
マウスにこのたんぱく質の働きを止める薬を投与しました。その結果、実際にマウスの「老化細胞」が死滅し、
血糖値の異常や動脈硬化などの症状が改善することが確認できたということです。
マウスがどれだけの時間、棒につかまっていられるかを調べる実験では
▽若いマウスではおよそ200秒で、
▽年を取ったマウスでは30秒程度でしたが、
▽年をとったマウスに薬を投与すると100秒程度まで伸びたということです。
中西教授は「加齢が原因で起こる健康の問題を一網打尽にして、健康な期間を延ばすことができる可能性がある。
老化メカニズムは分かっていないことも多いため引き続き研究を進め、ヒトでの実用化を目指したい」と話しています。
細胞老化研究の重要性Cell Siganallinng Tachnology より
老化細胞は加齢とともに蓄積し、正常な加齢の過程と加齢に伴う疾患に寄与します。がん、神経変性疾患、代謝疾患、
循環器疾患など、老化、加齢、加齢に伴う病態を解明する上で、細胞老化の研究が進められてきました。
齧歯類モデルでの研究によると、in vivoで老化細胞を選択的に排除すると、炎症の低減、免疫機能の向上が起こり、
これに伴って加齢に伴う疾患の進行が緩められ、健康や寿命が改善します。例えば、一部の化学療法薬など老化を
誘発する薬剤は、がん細胞の複製を抑制することで治療効果が得られると考えられます。しかし、このような化学治療
を施した患者では、老化細胞が蓄積し、これが疲労などの望ましくない副作用をもたらすことが予想されます。
さらに、老化細胞はSASP構成因子の放出を通じてがんの再発と転移にも寄与します。したがって、化学治療中の患者に
老化細胞を標的とする治療薬Senolyticsを併用することで、がん再発を回避し副作用が緩和される可能性があります。
Senolytics療法は、正常マウスの寿命を延ばし加齢関連の肉体的な衰えを遅らせることもできるので、加齢に伴う疾患
の治療に有効である可能性があります。現在Senolytic薬は、変形性関節症と慢性腎臓病の治療に対するヒトを対象と
した臨床試験中です。
細胞老化 (Senescence) とは
DNA損傷応答などで見られる、増殖していた細胞が増殖促進刺激に対する抵抗性を獲得し、安定的に細胞周期が停止した
状態を細胞の老化と呼びます。細胞老化はもともと、Leonard Hayflick博士によって発見された現象です。
Hayflick博士はヒト胎児線維芽細胞が一定回数の細胞分裂を経た後に増殖を止めること、増殖を止めた後も細胞は死滅
せず、長期間培養した後でも代謝活性を維持する (すなわち生存を継続する) ことを発見し、この現象を細胞の老化と
名付けました。現在では、形質転換したがん細胞が無限に増殖するのに対し、正常な細胞は幹細胞様の性質をもつ一部
の例外を除き、分裂回数に制限があることが広く知られています。例外的に増殖に制限のない非形質転換細胞には、
天然に存在するものとして生殖系列細胞、体性幹細胞、胚性幹細胞 (ES細胞) などがあり、試験管内で制御した条件で
作成されたものにiPSC (induced pluripotent stem cells) があります。老化細胞は、細胞周期を再開できる休止期に
ある細胞や最終分化細胞とは区別されます。
老化細胞の特徴には、形態的な変化、代謝の変化、クロマチンの再構成、遺伝子発現の変化などが挙げられます。
近年では、老化した細胞がSASP (Senescence-associated secretory phenotype) と呼ばれる炎症促進性の表現型を獲得
することも注目されています。細胞老化の生物学的な役割は非常に複雑で、有益な効果と有害な効果の両方が報告されて
おり、生理的状況によって異なるようです。例えば、細胞老化は損傷を受けた細胞が悪性形質転換し、がん化するのを
防ぐ機構であると考えられている一方で、様々な加齢に関わる病態 (組織の変性、炎症性疾患、がんなど) に老化した
細胞が関与するという知見もあります。
混同しやすいですが、加齢 (aging) と細胞老化 (cellular senescence) は同一の現象ではありません。加齢は時間の
経過に伴って進行的に起こる現象ですが、細胞老化は全生存期間中に起こり得る現象で、胚発生の段階で起こることも
あります。老化した細胞の数は加齢と共に増えますが、細胞老化は発生や創傷治癒時にも重要な役割を果たします。
老化研究モデル
早老症候群として知られる早期老化に類似した症状を示す疾患の研究から、加齢におけるゲノムの完全性とDNA損傷の
意義が解明されつつあります。ヒトが発症するこのような疾患にはウェルナー症候群、ハッチンソン・ギルフォード
・プロジェリア症候群、そして色素性乾皮症などがあります。早老症候群のマウスモデルを使って、早期老化と細胞老化
のメカニズムの研究が行われています。例えば、細胞周期チェックポイントキナーゼであるBubR1の発現量が少ないマウス
は加齢が速く、加齢に伴う病態がみられる組織でp16INK4Aの高発現がみられます。生殖系列でのp16INK4Aの欠失は、
BubR1低発現マウスの早期老化を遅延させ、生物学上の加齢と細胞の老化のin vivo相関性が示されました。さらに、
p16INK4Aを発現する老化細胞を選択的に排除できるマウスモデル(INK-ATTAC) の研究から、老化細胞の除去がマウスの
寿命と健康寿命を延ばすことが示されました。
老化促進マウス (SAM) モデルの系統がいくつか開発されています。この系統は、老化の特徴と表現型が一致する
 (活動の低下、脱毛、寿命の短縮など) マウスに由来します。SAMマウスは学習障害や記憶障害、骨粗しょう症、
リンパ腫などの病理学的作用の表現型を示します。
その一方で、加齢と老化の遅延を研究するために動物モデルも使われています。例えば、ハダカデバネズミは小さい
マウスと同じ大きさの齧歯類で、30年かそれ以上生きる、その大きさと対比して寿命の長い動物です。
ハダカデバネズミががんを発症することはまれで、高齢になっても健康で活発です。興味深いことに、この動物に老化
は普通に起こり、寿命の長さは細胞老化反応の排除に依存しないことを示唆しています。
https://www.cellsignal.jp/contents/_/cellular-senescence/overview-of-cellular-senescence



   

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